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ここから整骨院運動学 立位姿勢について

2018/07/11
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ここから整骨院運動学 立位姿勢について書いていきます。

立位姿勢の重心のラインは本来身体内部に仮想されるもので、体表面から観測することはできません。立位姿勢のバランスは、頭部・体幹・四肢の各関節の解剖学的指標が一直線に整列しているかどうかによって判定します。この直線は重心線に似たものになります。

立位姿勢の前後方向のバランスは横からみて次の5箇所が垂直になっているとバランスが良いと言われます。

1.耳たぶのやや後方

2.肩峰(肩中心よりやや前)

3.大転子

4.膝関節前部

5.外くるぶし前方

立位姿勢の側方のバランスは後方からみて次の5箇所が身体の中央を通過する垂直線上にあるときバランスがいいと言われます。

1.後頭隆起(後頭部中央)

2.椎骨棘突起

3.臀裂(お尻の中心)

4.両膝関節内側中心

5・両内果間の中心

 

立位姿勢の安定性とは、平行状態からの変位に対する物体の抵抗と定義されます。平行状態を維持しようとする性質が安定性となります。

重力の影響下で人間が立位姿勢を保持するとき次のような要因が安定性に影響を及ぼします。

1.重力の高さ:重心の位置が低いほど安定性がよく、立位よりも座位、座位よりも臥位のほうが重心の位置が低いため安定性がよいとされます。両腕を上げバンザイの体勢は通常の立位よりも重心の位置が高くなるので安定性は低くなります。

2.支持基底の広さ:支持基底の面積が広いほど安定性がよくなります。立位時両足を揃えて立つよりも腰幅に足を開いて立つ方が、腰幅よりも肩幅に開いて立つ方が支持基底の面積が広くなるので安定性がよくなります。さらに松葉づえや杖を使用した方が面積が広くなるので安定性がよくなります。

3.支持基底と重心線の関係:支持基底内の重心線の位置が中心に近いほど安定性がよくなります。

4.質量:質量が大きいほど安定性がよくなります。

5.摩擦:床との接触面の摩擦抵抗力が大きいほど安定性がよくなります。

6.分節性:分節構造物よりも単一構造物の方が安定性がよくなります。分節構造物が平衡を保持するためには、上位分節の重心線が下位分節との接触面内にあることと、全体の重心線が最下位分節の支持基底内にあることが必要です。各分節の重心線が一致していると構造物全体の安定性はよくなります。

人体は頭部・体幹・四肢と複雑な分節構造であり、各分節の重心線も一致していないため運動時には安定性が低くなります。

その他、視界を遮断したり高所から下を見下ろすときの不安定感やバランスを失うように感じる心理要因や、立位姿勢の保持に関わる抗重力機構や様々な反射や反応などの生理的要因も関係してきます。